キューブバトラー デバッカー翔編 (1997/02/28) SEGA SATURN 商品詳細を見る |
本作のタイトルだけみると当時の流行りであった対戦格闘系のゲームを連想するところなんですが、発売元の”やのまん”と言えば「動画パズル」といういまいちニーズの見えないニッチジャンルを確立したメーカーということで、本作もその流れをくんだ作品となっていますね。
プレイの画面構成は『ぷよぷよ』に代表される対戦形式の落ちモノパスルのそれで、3×4で12分割されたマスに正しいピースをはめ込むという極めてシンプルなもの。それだけだとシンプル過ぎると思ったのかどうか分かりませんが、任意のタイミングで攻撃ボタンを押すと、12分割のうちの1つがランダムで赤く表示されて制限時間内にその場所へピースをはめ込むと相手にダメージを与えられる+ハマったピースをリセットできるというガジェットが追加されています。
相手より先にパズルを完成させるか件の攻撃で相手の体力をゼロにすれば勝敗が決するのですが、相手の攻撃は防御ボタンで回避することができる上に、攻撃に失敗すると何もできない硬直時間が発生するので正直そんなリスクを冒すよりパズルの完成を優先させた方が断然勝率は上がります。
ピースは画面下に表示される3つの中から選択します。回転させることですべてのピースに切り替わっていくのですが、一方向にしか回転できないのがもどかしい。『テトリス』でブロックをどちらか片方しか回転させられない不自由さを想像してもらったら分かりやすいと思います。これの対処法は、単純に足りない部分が出てくるまでピースをリセットすることで解決します。
「動画パズル」で定評のある”やのゲー”だけに、ゲーム中のキャラクターはよく動きます。それはいいんですけどプレイ中は基本自分の画面しか見ないんで、いかに相手キャラがよく動いてようがじっくり見ているヒマなどありません。
5試合勝ち抜けばエンディングなんですが、自分の画面は変わらないのでまったく同じことを5回繰り返す必要があるんですね。ぶっちゃけパズルの実力すら関係なく、運よく必要なピースが出てくるかどうかのみが攻略のポイントなんで、少なくとも対CPU戦におけるゲーム性は低いです。対戦プレイができるモードもありますが当然ながら未プレイの為比較はできません。
”ゲームはOVAを超えた!!”などとブチ上げてアニメーションパートの時間の長さをウリにしているんですけど、どこがどうOVAを超えているのかよく分からない。動画再生についてはSS安定のガビガビ画質で仮に映像そのもののクオリティが高かったとしてもその恩恵に浴しているとはいえません。実際、ゲームとゲームの間にムービーが挿入されるというよりムービーとムービーの間にゲームが挿入されているという表現のほうが正しく、延べのプレイ時間はムービー観賞含めてせいぜい1時間程度。上にも書いたようにゲーム自体運に左右される要素が強い為、ゲーム部分は蛇足とまでは言わないまでもムービー抜きでは商品のレベルに達しているとはいえません。
「だったら普通にOVAで展開すればよかったんじゃね?」
ミもフタもないけど帰結すべき結論としてはコレ。
あとどうでもいいけどなんで主人公の通り名が”デバッカー”なんだろ?業界で最も地味で骨が折れる役割とは程遠い雰囲気なんだけどこの世界では意味が違うんかな?
キューブバトラー アンナ未来編 (1997/05/23) SEGA SATURN 商品詳細を見る |
→本作最初の対戦相手”アンナ未来”を主人公にした別バージョン。こっちも持ってるんだけど何処にあるのか分からない。本作だけではストーリーを端折り過ぎててよく分からない部分を補完できてるんかな?
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