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影男のゲヱムと手袋

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【DC】『Kanon』
DC版『Kanon』CG回収率100%までプレイしました。

KEY作品は初めてのプレイ。…って言うかDCのギャルゲーはこれが初体験だったりします。
以前の記事でも書きましたけど本作が発売された頃、私は意図的にこの手のジャンルを避けていた傾向がありまして、プレイはおろか購入もしていなかったのですね。

最近箱○のADV(…という名のCG回収ゲー)『カオスヘッド』シリーズのプレイでちょっと認識を改めまして、今ならほとんどの作品がゴミのような値段で手に入ることもあって一気に収集だけはしていたものであります。
ちなみに本作も中古で100円で購入しましたw

ま、それはさておき単純に10年以上前の作品について今更私ごときが語るべきことはほとんどないと思うのですが、さすがに過去の名作に数えられるだけあって”語りたくなる”魅力を備えたシナリオであるといえますね。
ゲーム的ご都合主義な部分を差し置いても中々によく練られていると思います。いわゆるセカイ系というのとはちょっと違うような気がしますけど、極めて限定された登場人物達の相関関係内で完結する物語としては多分にその要素も含まれているといえるのではないでしょうか。

拙ブログの方針としてなるべくネタバレに言及しない方向で書くつもりではあるのですけど、本作についてはその本質部分に触れずして表現することは私の筆力ではムリ。ということで以下の文章について本作を未プレイの方は完全スルーを強く推奨いたします。













本作に登場するヒロイン5人をシナリオ全体で大別すると水瀬名雪・美坂栞・月宮あゆの3人とそれ以外にカテゴライズされると思います。
特にこの3人のシナリオは主人公の選択によって変わる結末のそれぞれにおいて非常に密接な関係を有しています。

水瀬名雪

主人公のいとこにして幼なじみ。両親の都合で母娘2人で住む水瀬家に居候することになった主人公の導入部分はまさにギャルゲー的と言えますね。
上記3人のシナリオに限らずすべてのシナリオにおいて終盤まで登場するのは主人公の生活の拠点となっている家の住人であるという事実のみならず、主人公の失われた7年前の過去を知っており、知った上で主人公の存在を無条件に受け入れているというバックボーンの所以であると思います。

彼女との結末は単独では完結しません。失われた7年前の記憶はプレイヤーが知ることはできませんし、母親の生還という”奇跡”もその意味するところは本シナリオのみではただのご都合主義的なハッピーエンドの一要素に過ぎません。
こういう不完全な構成にならざるを得なかったのは後述する”月宮あゆ”シナリオのエンディングを迎えて初めて完成します。
そういう意味では本作のプレイする順番って結構重要で、私は”月宮あゆ”シナリオ後に本シナリオをプレイしたものですから特に疑問も感じるところはなかった代わりに、5人の内一番印象が薄いエピソードになってしまいました。
賛否はあろうかと思いますが、ベストのプレイ順はおまけの並びと同じ名雪→栞→真琴→舞→あゆなんじゃないかと。いや、他のシナリオの順番はともかく”月宮あゆ”ルートだけは一番最後にプレイすべきだったのではないかと今更ながら後悔しています。
すべての伏線が収束された後のカタルシスは多分これでないと十二分に発揮できないんじゃないでしょうか。

美坂栞

最初っから予感はありますけど、中盤からの”最後の一週間”におけるカウントダウンは予定調和の結末に対する”フリ”として機能しています。
このシナリオではサブキャラクターであり栞の姉である美坂香里が重要な位置づけとなっています。彼女が下した結論と主人公が選択した結論がコントラストになっており、終盤で融合するシーンは特に印象的でした。思えば彼女が他のシナリオで発する台詞にも本シナリオについての伏線となっている部分が多々あるのですね。
そこのところを踏まえると彼女が抱えている深い絶望感や哀しみをより深く感じることができます。

個人的には”最後の一週間”で商店街を歩いている際にあゆと出会うシーンが切なくて印象的。あゆに栞のことを「彼女だ」と選択肢でプレイヤーに言わせるのはキツいです。
あと冒頭で買い物袋をぶちまけてしまうシーンではエンディング後と前では受けるイメージがまったく異なってきます。ビジュアルを良く見るとあのアイテムもきっちり描き込まれているんですよね。
この告白の件ではこれまで諦観というか達観しているような栞の本心が痛いほど伝わってきます。

月宮あゆ

前半、主人公の夢の中のモノローグは”月宮あゆ”に関連しています。
すべては封印された”7年前の記憶”に起因するワケですが、終盤記憶を取り戻した主人公(およびプレイヤー)に突きつけられた衝撃は計り知れないものがありますね。
本シナリオをプレイすると、前シナリオの両方共の結末はあゆの献身によって成立しているという事実を思い知らされます。しかし主人公はその事実を知ることはなく、それぞれのハッピーエンドを享受しているというのが言い換えればプレイヤー自身の選択の結果でもあるワケですけど何となく割り切れない後味の悪さが残るんですよね。
それ故、本作の正当な結末はやはり本シナリオでなければならないという気がします。

メインシナリオだけに数多くの名台詞やシーンがありますが、取り分けあゆの”学校”に主人公を案内する場面の不安感は印象深いです。
月並みですけど「ボクのこと、忘れてください」の件もいいですね。

天使の人形に込められた三つ目の願いについて、本シナリオ中何度か繰り返されるように叶えられる願いはあくまで”主人公にできること”限定なんですね。
本シナリオも含めた三つのエピソードはもちろんあゆ自身の願いが顕現したものなんですけど、いずれも”奇跡”に相当するものであって理屈の上では主人公にそんな能力はない筈。
これは私見なんで異論もあろうかと思いますが、主人公には”夢を終わらせない”能力があって、それがあゆの願いとシンクロすることによって”奇跡”を起こすことができたのではないかと。
エピローグで語られる幸せな結末はすべて現実のものではなく、あくまで主人公が見続けた夢の中の出来事だった…という解釈では救いがなさ過ぎますかね?

沢渡真琴

上三つのシナリオ以外は、ファンタジー色が強い内容になっています。
本シナリオで語られる終末までの期間の描写は「私の頭の中の消しゴム」のそれと酷似していますね(発表時期は本作の方が先)。
登場から前半までの破天荒な言動の印象が強ければ強いほど、徐々に失われていく人間性の描写は切なくて辛く、終盤人形のようになってしまう彼女に対する印象は最初のそれとはまったく異なったものになることは必至。
名雪母娘とプリクラを撮影する場面、いよいよその時が訪れた時の秋子の「いってらっしゃい」すべては救いのない結末に向けて淡々と時間が過ぎていく様はある意味非常に残酷です。

本シナリオのみに登場する天野美汐の存在は非現実的なガジェットを補完する目的が主であると思いますが、登場するタイミングが遅い為に舞シナリオにおける倉田佐祐理ほど掘り下げられなかったのが残念といえば残念。
それ故どうしても取って付けた観があるんですよねぇ…もうちょっと早い段階で間接的にシナリオに関わっていれば随分印象は変わったと思うのですがどうでしょうか。

川澄舞

全シナリオ中最も難解な構成である本シナリオは、一番厄介な存在であるといえます。
その最大の原因は7年前の主人公との関わりが良く分からないという点に尽きるんですよね。
本シナリオだけを見た場合、前半の夢の中のモノローグは舞との記憶を指すとも取れるが、やっぱり”月宮あゆ”は登場するのでどうしても矛盾が起きてしまう。

終盤、舞の独白による母親との思い出の場面は全体の中でもトップクラスの名場面なんですが、その後の割腹から結末に至るまでの経緯が間に主人公の希望的妄想も挿入されたりして殊更ややこしくなっているような印象を受けます。
最後の”奇跡”は例によってあゆによるものと取れなくもないですけど、その割には接点が少なすぎてイマイチ説得力に欠けるんですよね。

また、本シナリオを一度クリアすることによって終盤分岐する番外編的な倉田佐祐理のエピソードも若干消化不良の観があります。
余談ですが本作で倉田佐祐理の声を演じられた川上とも子さんが先日亡くなられました。謹んでご冥福をお祈り申し上げます。


さて、本作を一通りプレイしてみての総論。
すべてのエピソードは主人公が引っ越してくる1月7日から月末までの20日余りで完結しますが、ルート確定後は怒涛の展開でテンポも速いのに対し前半部分はいかにも冗長で繰り返しプレイしているとかなり面倒です。
既読のテキストはスキップが可能なんですが、最近の作品ほど洗練されてはおらずそれなりに時間もかかってしまうのは仕方がないにせよやっぱり面倒ですね。

最初のプレイ以外は攻略サイトを参照してほとんど作業的にプレイしていたのがアレなんですけど、ルート確定の過程についてはポイントとなる選択肢が割りと分かりやすいので難易度的にはそう高くないと思います。
元は18禁のエロゲーで、オリジナルをプレイしたことがないので断言できませんが、いずれのシナリオについても完全に蛇足のような気が。

シナリオの流れ的には名雪ルートではあってもおかしくないと思うのですけど、それ以外ではどの場面に挿入されるにしろ不自然な形になってしまうような気がします。
デザインが並べて幼さを残すものであることも生理的違和感のひとつだと思いますね。

巷では”泣きゲー”の異名を取る本作ですが、いずれの”泣かせどころ”もある程度予想がつくというか、設定自体は突拍子なくても極めてオーソドックスなシチュエーションばかりなのでさすがに泣きはしませんでしたけど、それなりにグっとくる場面は複数ありましたね。

いわゆるゲーム的な要素は薄いですが、それなりにボリュームもあって内容については概ね満足できました。
複数の機種に移植されるのも納得の完成度だと思います。



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| DC | 11:55 | トラックバック:0 | コメント:0
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