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影男のゲヱムと手袋

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【PS2】『世界ノ全テ-two of us-』
世界ノ全テ ~two of us~世界ノ全テ ~two of us~
(2006/09/28)
PlayStation2

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2002年にPCで発売されたエロゲーのPS2版『世界ノ全テ-two of us-』をクリアしました。

アレンジと言えば聞こえはいいですけど、要するにCERO的にNGなエロ描写はばっさりカットされてるんでヌキ目的だとちょっと辛いかも。そもそもエロゲーからエロ描写を抜くなんてカレーライスからカレーを抜くことに等しく、何の存在価値もない…と以前の私は思っていたんですけど、所謂”泣きゲー”と呼ばれるジャンルが登場してからちょっと考えを改めたんですよね。

「長編青春アドベンチャー」と銘打った本作の設定はあくまで現実的。翼を持った少女も幻想世界も出てきません。シナリオの系統としては「メモリーズオフ」シリーズに近いような気がします。


-波の音がまだ記憶に残る、この町に帰ってきた俺。
 8年の歳月は、漠然としていたあの頃の希望を無力に変えただけだった。
 
 期待に応えられない自分に苛立ち説教する父、
 自分と同じように意見を持たない母、自分とは正反対の兄。
 そんな籠に閉じ込められながら、いつも心のどこかで、あきらめることばかり考えていた。
 何一つ達成することの出来ない劣等生の自分に嫌悪しながら。
 誰も必要としていない自分に、もう何処にも居場所はないのだと。
 そう思っていた。

 あの日、あの場所で、君に出会い、軽音部に入るまでは。- <公式サイトより引用>


私には兄弟が居ないのでこういう状況ってちょっと想像できないんだけど、この主人公の立場に共感できる人ってのは結構居るんじゃないかなぁ。でもそんな葛藤はほんの序盤だけ。

メインヒロインである小西智子との出会いから気の置けない友人達との再会を経て軽音部に入部し、目前に迫る文化祭に向けて皆で練習に勤しみ、時にメンバーと衝突したり障害を乗り越えて”仲間”としての絆を結んでいくというのが本作の前半部分。

主人公の宮本浩は無頼を気取っているけど本当は僻み根性の構ってちゃん。周囲の人間はみーんな主人公を心から気遣い、或いは一目置き、或いは好きになる。中二病ぼっちからリア充への転身に要する期間は1カ月にも満たないw

ナンボ設定が現実的でも非常に現実離れした有り得ない展開に妬っかみつつ辟易することは必至です。

ここまでで選んだ選択肢によって各ヒロインの個別ルートに分岐していくんですけど、はっきり言ってメインヒロインである小西智子ルート以外はオマケ同然の扱い。前半部分でヒロインよりも後輩キャラの櫻井まりもちゃんにきゅんきゅんしたような諸兄にとってはまったく救いようがない内容になってます。

サブタイトルの「two of us」という言葉が示すように、この物語はあくまでも主人公の宮本浩と小西智子のものであり、その他のキャラクターはすべて”us”に含まれちゃうんですよね。2人にとって都合のいい”仲間”達は、必要以上に2人の仲に介入しないのに、時には自己の危険をも顧みず2人のことを最優先に考えた行動を取らされる。

浩や智子が仲間の存在に言及したとしても、そこに対等の関係を見出すことができないのは上記のセオリーを順守している所以。メインヒロインのシナリオだけならまだしも、理不尽なセオリーはその他のルートにおいてもしっかり適用されていて、基本サブヒロインが主人公とハッピーな結末を迎えることはありません。逆にそこまで徹底的に割り切っていることで制作側の意図は明確ですし、当時のエロゲー全般の方法論に倣い、サブヒロインについては商業的要素として付加したものと考えれば納得はできなくても理解はできるのではないでしょうか。あとはユーザー側でメインシナリオが感性に合うか合わないか、で本作に対する評価が変わってくると思われます。


本作の舞台は関西(モデル地区不明)で、登場人物のほとんどが関西弁を使用しているというのは今でも結構珍しいんじゃないでしょうか。とはいえ、土地の名称はすべて架空のものなので、シナリオ的に関西を舞台にしなければならない必然性は特に感じなかったのですがね。

40年以上関西圏に住んでいる私的に評価しますと、多少の変な言い回しはあるもののイントネーションについては特に気になりませんでした。知った名前が見当たらなかったので詳しくは分かりませんが、恐らく関西出身の声優さんを起用していると思われます。

元々そんなに登場人物は多くない作品だけど、ヒロイン含む軽音部関係者4名を2人で兼任されているっていうのを後から知ってびっくりしました。少なくとも初見では全然気付きませんでしたね。

絵柄は所謂”萌え”系ではありませんが、ハード後期の作品らしく高解像度で綺麗です。例によって通常の「立ち画」とイベントCGのイメージが別人レベルに異なっているのはご愛嬌。前半の件があまりにも退屈なことと、選択肢の8割方が放課後に何処(教室・廊下・屋上・その他)へ行くかしかないのでメリハリがまったくないというのもマイナス要素ですね。まぁその辺は本作に限らず、大体のノベルゲーに共通する難点なんですけどね。

以下ネタバレを含む可能性が高いので、追記から主なキャラクターを紹介しつつ全体の感想なんかを書いてみたいと思います。
■宮本浩

→本作の主人公。主に彼の視点で物語は進みます。本文にて公式サイトから引用したプロローグにある通り僻み根性からの中二病度合が甚だしく、そのヘタレっぷりから苛々させられることは必至。いい歳してエロゲーなんかやってるダメ人間的には親近感のひとつもおぼえようってモンですが、序盤でタイプの異なる魅力的な軽音部女子全員から好意を寄せられる展開に至っては余りに恵まれた環境で贅沢過ぎる悩みでウジウジする主人公に蹴りの一発もいれてやりたくなるでしょうw
 
 でもまぁ色んな意味で人間的ではあるよね。青臭いといえばそれまでだけど実際青臭い年齢設定なワケで、好き嫌いはともかく違和感は少ないです。

 彼に関してはやっぱり真・小西智子ルートにおける終盤、心から愛する智子を失った事実を受け入れないことで辛うじて平衡を保っていた精神が、交差点で別人格になってしまった「智子」とすれ違うことで一気に崩壊する件が衝撃的。ここから語り視点が主人公でなくなる演出も秀逸です。

 ただ、個人的には真のエンディングで提示された大団円より、同じ交差点での場面で別人となった「智子」と決別し、前へ進むという終わり方のほうが物語的にはしっくりくるのかなと感じました。

 本作を読み解くキーワードのひとつとして「兄弟」の存在があるのですが、浩にコンプレックスを抱かせる元凶でありながら家族の中で唯一浩に対して理解を示し、陰ながら支えるという位置づけがどうにも中途半端な気が。ほとんどのルートで終盤は空気だし、イマイチ何をさせたかったのかよく分からんキャラでした。
 
 
■小西智子

→本作のメインヒロイン。主人公より一週間早く御室学園に転入してきた2年生。属性はツンデレ、時々ヤンデレ。主人公と出会った当初は他者との関わりを避け、それを象徴するかのように前の学校の制服を着用し続けるという面倒くさい女の子です。屋上でひとり景色を眺めつつ、時折見せる哀しげな眼に主人公は惹かれていく。主人公の誘いで軽音部に入り、次第に周囲とも打ち解けていくのだが、庇護者である祖母が病気で倒れたことをきっかけに事態は大きく動くことになる。そこに隠された真実とは…。

 本作の存在意義はまさに彼女のシナリオに集約されていると言っても過言ではなく、その他2名とは明らかに密度が異なります。3年前に重い心臓病で亡くなった双子の姉妹である「玲子」に、亡き妻の面影を重ねて溺愛する父親は「智子」の存在を否定し続けるが、実は「智子」は不審な交通事故で亡くなっており、その際瀕死の「玲子」に心臓を移植されている。手術は成功し意識を取り戻した「玲子」であったが、心臓と共に記憶まで「智子」を受け継いでいたというオチは衝撃的ですが、真ルートの終盤に頭を強打して一時的な記憶喪失→回復→人格交代の流れが短期間過ぎてさすがにリアリティがなさすぎる。どこのソナタだよって感じですw

 あと父親のキチガイっぷりが半端ではなく、登場シーンがもれなくホラーになっているのは笑ってしまった。真ルートの大団円を迎えるにあたって存在が邪魔になったのか、ワケも分からん内に不審死を遂げたって一言で物語から排除されてしまうんだけど、これってどう考えても「玲子」の仕業だよなぁ…。アプローチの異常性は別としても”愛する者の喪失を受け入れられない”という点について、この親父と浩の精神構造は実は近しいものがあるという事実には留意しておくべきかと。
 

■櫻井まりも

→軽音部の後輩。楽器はベースを担当。部活では浩の旧友である中井戸麗次に師事しており、”ししょー”と呼んではいるが、普段は漫才のような軽口を叩いている。出会った当初から浩に対して好意を抱いているが、早くから浩の気持ちは智子に向いていることを悟り、悩みながらも二人を応援する。

 実は本作で一番気に入っているキャラなんですよね。明るくて元気で表情がころころ変わって感情が分かりやすいのに恋愛に関しては健気の一言。結局のところ、本作におけるサブヒロインの扱いというのはメインヒロインである小西智子のシナリオを盛り上げる為の添え物程度であり、本文にも書きましたけど個別ルートにおいてもそれが徹底されているので、一切救いがないというのが彼女視点で考えるとどうにも不憫で仕方がないです。

 従来の浩視点と、ルート確定後の選択肢でまりも視点で進行するパターンがあり、展開はどっちも同じですが浩のヘタレっぷりが際立っているのが何とも。あと終盤で唯一兄者が絡むシナリオになっています。PC版では更に追い打ちをかけるような鬱展開なんだそうですが、本作ではそこまで酷くないのが唯一救いといえるかも知れません。あと鼻にかかったような独特の関西弁は個人的にツボでした。


■草薙ほのか

→軽音部の先輩で、部活ではマネージャー。浩の担任教師である草薙かすみの妹だが性格は正反対で地味。まりも同様、出会った当初から浩に好意を抱いているが、浩の本当の気持ちを察して身を引くところもまったく同じ。

 本作における扱いはまりもと同じだが、地味キャラである彼女に対するそれは更に酷く、クリスマスイブに雪の中浩に待ちぼうけをくらわされ、両親の居るイギリスに留学してしまうというアホみたいなオチ。「強くなって戻ってきたら、浩さんを奪っちゃうんだから」と健気に強がるが多分ムリ。っていうか戻ってきた頃には君のことを忘れてると思うw

 シナリオ全体で見ても存在意義が見いだせず、何故サブヒロインに抜擢されたのか不思議です。PC版では姉の草薙かすみルートもあるらしいですが、むしろそっちを残しておいた方が差別化できてよかったかも。


■中井戸麗次

→8年ぶりに主人公と再会し、軽音部に誘う。見た目チャラ男だが、友達甲斐のあるめっちゃイイ奴。かすみセンセイにぞっこんで本人もそのことを公言して憚らないが、もうひとりの旧友である村上秀一の妹、瑞樹が密かに好意を寄せていることに気付いてない。いや、どんなに鈍くても気付くだろ、普通。

 サブヒロインほど扱いは酷くないが、浩と智子を支えるご都合主義的な環境設定を形成する損な役回りであることに変わりはありません。瑞樹との恋愛が成就するのがせめてもの救いかな。彼の見せ場は真ルート終盤、精神が崩壊して雨の中彷徨う浩を発見する場面。確かに感動的ではあるんだけど、再会して僅か数か月でそこまでの心情になるもんかね?まぁ確かにその間有り得ないような事件が怒涛のように押し寄せてるけどさw


■村上秀一

→中井戸同様8年ぶりに主人公と再会する。部活ではドラムを担当。寡黙で沈着冷静な性格中井戸と対極だが何故かウマがあい、いつも行動を共にしている。浩に対しても中井戸とは違う側面から常に見守り、時に適切な助言を与えてくれるめっちゃイイ奴その2。心臓病を抱える年子の妹、瑞樹を何より大切に思っており、妹のことになると途端に冷静さを失う重度のシスコンです。

 ひとつのキーパーソンである瑞樹との関係性が特異なポジションとなってはいるが、結局のところ中井戸同様、浩と智子にとって都合のいい舞台設定を担うだけの役どころなんで報われることはありません。


■村上瑞樹

→秀一の妹。体調を気遣い正式な軽音部員ではないが(主に中井戸目的で)しょっちゅう出入りしている。女性キャラで唯一浩以外の人物に思いを寄せているという点でサブヒロイン(特にほのか)より恵まれているかも。 要所要所で発作イベントが発生し、すべてを持って行けるのがこの娘の最大の武器。浩との関わりが他の女性メンバーより一歩引いているというだけで結構おいしいポジションです。

 ちなみに声優はヒロイン小西智子の中の人が兼任されてます。


■草薙かすみ

→浩の担任教師にして軽音部の顧問、更にマネージャーであるほのかの姉。ご都合主義のかたまりみたいな設定だけど、部活には滅多に顔を出さないので関わりは薄い。本作では浩と恋愛関係になる描写はないんですが、どうでもいい場面で浩が初恋の先輩に雰囲気が似ている的なセリフがあって、それが個別ルート伏線の痕跡なのかも知れませんね。

 教師としては割と無責任というか、智子のことに関しては浩その他に丸投げする場面がいくつかあり、最も違和感があったのは智子の祖母が倒れたことを部員全員に連絡しておいて自分は現場に居なかった点。いくら同じ部活とはいえ、そんなこと普通連絡したりしないだろ。巨乳で大人の色気はいいですけどそういう場面はないので宝の持ち腐れですね。


総論


「世界ノ全テ」というタイトルは文字通り主人公たちを取り巻く極めて狭小なコミュニティにおける居場所であったり、愛し合う相手の存在そのものを意味します。

本文でも書いたように、本作のストーリーは事実上宮本浩と小西智子のそれで完結しており、その他の結末は商業的蛇足であるということに大方異論はなかろうかと思います。多くのノベル系作品が複数のヒロインそれぞれにあったかも知れない展開を提示しているのに対し、本作のそれはたとえメインルートから外れても浩と智子が結ばれる結末以外認めないという制作者の強いこだわりを感じる部分です。それだけメインのシナリオの完成度に自信があるのでしょう。

本作の設定年代は不明ですが、オリジナルが発売された2002年には当たり前に普及していた携帯電話が存在しないこと、深夜ラジオの投稿コーナー、軽音楽(=ロック?)に対する学校の偏見等、現代の目からみたら首を傾げたくなるような描写が数多く散見されることから、恐らく昭和末期から平成の初期頃をイメージしているのではないかと推察。いくつかのイベントに際して、携帯電話が存在したら成り立たないようなものがあったのでシナリオに合わせたのかもしれません。

ヒロイン小西智子の特殊な生い立ちは別として、その他のキャラクターの設定は等身大の高校生のソレ。キャラクターのネーミングも意図的に普通っぽくしているような気がしますね。

設定は細かいけど伏線の類はあまり凝ってないというか、ゲーム的な仕掛けは少なくて一部フラグ管理ができてないところも見受けられました。具体的に例を挙げると、智子が浩を初めて部屋に誘った時、飼ってるネコのことに触れるのですが、それまでにネコの話題になる選択をしていないのにセリフで出てくるとかね。前半部分の選択肢は都度独立していて以降のテキストには影響してないっぽいんですね。分岐点である文化祭イベントが発生するまでに個別ヒロインと遭遇する場所をできるだけ多く選択する。実際全部正答しないとルート確定しないのかどうかは不明です。

膨大なテキストが収録されているんで致し方ない部分もありますが、しょうもない誤字もチラホラ発見しました。あとこれは私の勘違いかも知れませんが病院の先生が「智子」と「玲子」の人称を間違っていて「?」と思った場面があったりとかね。テキストが全てなんだからそこにはもっと神経を使って欲しかったなぁ。

特筆すべきは音楽。BGMもいいし、ボーカル楽曲が適宜挿入される演出にはかなりグッときます。クリア後のオマケでサウンドテストが解放されるのですが、そのままサウンドトラックとしても通用する圧倒的なボリュームは嬉しいです。

現在イベントCGが2枚回収できてないんですけど、攻略情報もないしもうそろそろいいかな。次は据え置き機でプレイ日記のネタになりそうな作品でもチョイスしよう。
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