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世間的には続編(?)の『シュタインズ・ゲート ゼロ』が絶賛発売中なワケですが、ん?…何かこの件は前作である『~比翼恋理のだーりん』をプレイしていた時と全く同じような(汗)

まぁ周回遅れでプレイするのは私的に平常運転なんで別にいいんですけど、今回本作をプレイしたのは昨年BSで再放送されたアニメ版の視聴がきっかけなんですよね。

CSも契約してはや4年目になるのですが、今までアニメ版を視聴する機会がなくて今回の再放送を毎週ほぼリアルタイムで観ていたんですよね。そうこうしている内にCSのテレ朝チャンネルでも再放送が開始されて、そちらは週2本づつの放映だったので程なくBSを追い越して一足先に全話観終わったところへ「第23話」の改変ですよ。いやぁ驚きましたよね。内容を詳らかにするのはここでは避けますけど、要するに12月に発売された新作へと繋がるエンディングということでタイミング的にもばっちり。こういう試みって過去にもあったのかな?いずれにしても新作の話題作りとしてはこれ以上ない手法だったと思います。

さてさて、本作について何ですけど、コンセプト的には前作とほぼ同じです。これまで主人公である”岡部倫太郎”の視点のみで語られていた物語が、別の登場人物の視点による10のエピソードがオムニバス形式で収録されています。個々のエピソードの感想については例によって<続き>にものしますので、ネタバレを回避されたい方はご注意を…

★走査線上のジキル(岡部倫太郎)

ゲームを開始して最初にプレイすることになるシナリオ。こちらは本編同様主人公の”岡部倫太郎”視点になります。

本文にも書きましたけど、本作のコンセプトは前作とほぼ同じで、いわゆるファンディスク的な位置づけ。従って本作をプレイするにあたっては『シュタインズ・ゲート』本編を当然プレイ済みである、というのが大前提です。いや、別にアニメでも何でも本編の内容を知っていればいいんですけどね。まぁ本作を手に取った方で本編の内容を知らない、何てことは多分ないだろうし、そういうクレームも見たことないからお約束として需要と供給の両面において成立していると仮定しても良さそうです。

オカリンこと岡部倫太郎は”未来ガジェット研究所”の活動の傍ら、正義のヒーロー”アルパカマン”として、タイムリープマシンを使って秋葉原に起こる様々な事件に介入して未来の改変を行っている。それはのぞき魔の阻止だったり、人気ゲーム発売の列に割り込んだ転売ヤーの撃退だったりと卑近な事件ばかり。アルパカマンの正体を知っているのはまゆしぃこと”椎名まゆり”だけ…と言うか普通に気付くだろと思うのですが、序盤のふざけたノリはオチに対する前フリ。ここでは本編から一年経った夏の出来事であり、”椎名まゆり”を救うことができなかった後の世界線。

”椎名まゆり”の喪失を受け入れられない岡部倫太郎は、自身の妄想が生み出したヒーロー”アルパカマン”を通じて椎名まゆりの存在を創造して現実逃避を行っていたのだ。

個人的には映画「シックスセンス」初見の時のような感覚が近いと思いました。オチが分かった途端にこれまでのシーンで覚えた違和感が腑に落ちるといった感じ。何故かSERNの研究員におさまっている助手こと牧瀬紅莉栖がまゆりの一周忌の為に帰国し、妄想に逃げている岡部の現状を目の当たりにして現実を突きつける。ダルやフェイリスといったラボメン達は、岡部をこれ以上傷つけまいとして彼の妄想に合わせていたのだ。シーマン風の不条理な人工知能”アルパカ司令”の独白は、本当は現実を知っている岡部自身の声であると解釈すれば、本シナリオを読み解くことは容易です。

まゆりの死因は不明だけど、桐生萌郁はラウンダーじゃないしミスターブラウンも然り。紅莉栖がSERNに所属していることで、この世界線の先の未来はどうなっているのかという疑問は残るけど、本作の掴みとしては方向性を分かりやすく示しているということでいいんじゃないでしょうか。


★絢爛仮想のファムファタール(橋田至)

”ダル”こと橋田至視点で語られる本エピソードは、本編の世界線とは異なります。鈴羽の母親である阿万音由季との出会いが描かれているワケなんですけど、ビジュアルはほとんど出てこないんですよね。立ち画はナシ、コミマ会場でダルとぶつかるシーンのみの登場なんで、これだったら下手に出さなかった方がイメージを膨らませられてよかったかも。

いわゆるSERN支配のディストピアへと続く世界線ではないのですが、ラウンダーは目的不明のテロ組織として登場。その計画に巻き込まれた阿万音由季を助ける為にダルが奮闘するって展開なんだけどシナリオの構成ははっきり言って雑の一言。緊迫した状況を作り出したい意図はうかがえますがとにかくラウンダーの行動が意味不明すぎて萎えます。


★黄昏色のソーテール(牧瀬紅莉栖)

本編において、何度タイムリープを繰り返してもまゆりを救うことができないことに絶望する岡部を励ます…までの経緯が語られたエピソード。リーディングシュタイナーの能力を持たない紅莉栖が、他の世界線にてタイムリープした事実を受け入れさせる為に岡部に教えたキーワードに込められた意味が分かります。

他の登場人物視点という本作のコンセプトが一番活きているエピソードだと思いますね。フェイリスパパとドクター中鉢との過去に、本編ではあまり印象になかった紅莉栖とフェイリスとの絡みは新鮮で、絶望的な決別を迎えることなく父親である中鉢との和解に成功するものの、自身がタイムリープすることでその事実が「なかったこと」になってしまう件も深みがあって良かったです。

まぁ何かこの時点でオカリンを好き過ぎる紅莉栖の描写には若干の違和感はありますけど、そんだけ好きな人の為にっていう動機づけがないと、あれだけ慎重だったタイムリープを自身で行う決断をすることに不自然な感じになるから、このへんのバランスは許容範囲かな、と。

っていうかこの後のシナリオではオカリン以外の登場人物もすっごく安易にほいほいタイムリープしちゃうので、逆にタイムリープに対して真っ当な葛藤がある紅莉栖の方が異質に見えてくる不思議。これはシナリオ全般にも言えることなんだけど、問題解決の手段としてタイムリープを乱用する展開はシナリオ的にちょっと底が浅いように感じます。


★幽霊障害のランデヴー(阿万音鈴羽)

朝目覚めたら、そこに2人の私が居た。不条理系の幻想小説のような導入部分もさることながら、鈴羽が公園でテントを張って寝泊りしていたという事実にまず驚かされる。っつーか住所不定でどうやって携帯の契約ができたのか、とか素朴な疑問は尽きないワケですがそれは一旦置いておいて、理由はよく分かんないけど突然現れた2人の鈴羽は、1人は軍服姿でまゆりを救った後の世界線から来た鈴羽に近く、もう一人はメイド風のコスチュームを着たまったく別の世界線から来た鈴羽。

2人の鈴羽は他人には認識できず、他者との会話でも普通に割り込んでくるのでかなり複雑…というか冷静に考えたらマジの電波系な人になっちゃってる気が(汗)

3人の鈴羽によるどうでもいい議論の件は正直かったるいけど、ダルと親子水入らずの時間や牧瀬紅莉栖の本質を理解した上で和解できたこととか、本編では割と救いのない結末を迎える鈴羽的には意外な一面も見られて良かったと思います。

しかしながら本編同様、本来向かうはずだった1975年へ行く件に差し掛かると様相は一変。この世界線でのタイムマシンは過去への一方通行。自らに課せられた使命の為、帰ることのできない時間旅行に赴くあたりはぐっとシリアスな展開に。

2人の鈴羽が何故現れたのかという理由づけは弱いような気がしますけど、メイド姿の鈴羽の存在は本編で紅莉栖を救出した後の世界線で生まれたものだと信じたい。それこそが鈴羽が望んで止まなかった未来に他ならないのだから。


★雨鈴鈴曲のスクレイバー(天王寺裕吾)

ミスターブラウンの視点で描かれた本エピソードは、ラウンダーとは一切関わりない世界線でのできごとです。

個人的にはラウンダーのブラウン店長視点でのシナリオが見たかったのですが…

こういう書き方をしている時点でお察し頂きたいのですが、残念ながら本作に収録されているエピソードの中で、個人的評価としては一番低いです。

宝くじに当たってという導入部分からして陳腐だし、何かラボメンのキャラが全員微妙に変ってるし、オチも特にヒネリもなく本編を補完する要素もナシ。”未来ガジェット研究所”立上げの頃のオカリンとのやりとりや、ビジュアルとして子供の鈴羽や大人の綯ちゃんが見られるのはいいですけど見どころは本当にその点だけです。


★桃色幻都のシャ・ノワール(フェイリス・ニャンニャン)

フェイリスパパが事故で亡くなったままなのか、はたまたDメールによる改変後に元に戻した世界線なのかは不明ですが、阿万音鈴羽が1975年の過去に向かうまでのエピソード。父親を亡くして以後、秋葉原の大地主である秋葉留未穂の立場とフェイリス・ニャンニャンとしての自分とのギャップに悩むフェイリスが、何故か鈴羽とコスプレをして秋葉原の街を徘徊する話ですw

うーん…このシナリオに関しては主人公であるフェイリス自身のキャラが本編と比べて変わり過ぎのような気がしてすごく違和感があったんですよね。本編では他のキャラクターと絡んだ描写が少なかったフェイリスですが、何故か本作では紅莉栖に鈴羽に綯ちゃんと重要かつ密接なポジションをキープしていますね。

鈴羽が1975年にタイムトラベルをしてから現在まで存命している世界線というオチは良かったです。


★迷宮錯綜のヘルマフロディトス(漆原るか)

本編におけるルカ子エンディングからの続きです。本編の時にも感じたんだけど、これまで過去改変を元に戻していく過程において、ルカ子の改変のみ元に戻さないという結論に至るのがどうにも腑に落ちないというか、納得しづらかったんですよね。

本エピソードはその状態をそのまま引き継いでいるので、その後のオカリンとルカ子の葛藤が描かれていて、最終的にはお互い傷を舐めあう共依存の関係に陥りそうになるのを、ルカ子が自分の意志で変えようとする件が良かったです。

まぁこのまま未来を迎えてもオカリンもルカ子も幸せになれそうな感じが全然しないので、物語的にも収まるところに収まったって感じなんですけどね。

個人的にはルカ子のコスプレ後のビジュアルが無いというのが大いに不満ですw あと、コミマに妙に詳しいルカ子パパの言動が気になるところですね。


★悠遠不変のポラリス(椎名まゆり)

本作に収録されているエピソードにおいて、結末に一番違和感を感じたのがコレ。

とにかくまゆりの行動原理が本編のソレとはかけ離れ過ぎているんですよね。すべてを受け入れて黙って皆の前から姿を消そうとしていた紅莉栖が自分かまゆりのどちらかが死ぬ選択しかないと打ち明けるのも、本編の内容からはちょっと考えづらい。そんな紅莉栖を助ける為に出した答えがオカリンとの出会いそのものを無かったことにしてしまうという選択にも首を傾げざるを得ません。オカリンとのたくさんの思い出を犠牲にしてまで紅莉栖を救出したはずなのに、その後の紅莉栖が一切出てこないというのも、シナリオ全体からみると著しくバランスが悪いと思います。

自分にとってかけがえのない人が死んでしまうという未来を回避するというのが本編における骨子であっただけに、守りたい対象であるまゆりが逆の立場になった時に同じ行動を起こすという点には異論はないけど、やっぱり結論には納得できないなぁ。

ラストのオカリンは元の世界線からタイムリープしてきたってことだよね?演出的にはアリなんだけど不自然は不自然です。


★昏睡励起のクアンタム(桐生萌郁)

本編ではSERNの手先としてまゆりを殺害するという役どころで固有のエンディングもなく、ある意味救われなかったキャラであったところが、前作含むスピンオフではヒロインの一人に昇格しました。

本エピソードではラウンダーとしてラボメンの前に対峙するという件は同じですが、本編よりまゆりと紅莉栖と親密になっているという展開で、自分に居場所を与えてくれたFBかラボメンであるまゆりと紅莉栖のどちらを選択するかの葛藤が軸になっています。

普通に考えたら実際に目の前に居る親しい人間より顔も知らないメールのやり取りだけの相手を選択するなんてあり得ないんだけどね。それはいいとしても、最後のラボへの襲撃がグダグダ過ぎて萎えます。FBからのミッションはタイムマシン制作に関わった重要人物の殺害、すなわち牧瀬紅莉栖を含むラボメンの殺害で、萌郁だけじゃなく複数のラウンダーによる襲撃にも関わらず、一向に実行できない萌郁に銃を持たせたまま何もしない他のラウンダー達は一体何なの?それともM4の忠誠を確かめる為に実行は萌郁にやらせるよう他のラウンダーにも指示があったのかしら?

結局2人を庇って自分が命を落とす羽目になるのですが、薄れゆく意識の中でした最後の選択はお約束のDメール。ラウンダーにならないという改変を行ったらラボメンたちと出会うこともないように思うのですがどうでしょうか。


★三世因果のアブダクション(鳳凰院凶真)

最初のオカリンのエピソードへと繋がる内容でありながら構成としては対になっています。序盤ふざけたノリからシリアスな展開になる前者に対し、本エピソードではシリアスな導入部からふざけたオチへと収束していきます。

ふざけてるとはいってもミステリー仕立てで散りばめられた伏線の数々が最後にはすべて回収されるので、物語的にはすっきりしますね。ただそのオチもある程度話が進んでくるとあらかた予想できてしまうあたりが完成度という点ではちょっと低いかな。


★月暈のビヴロスト(天王寺綯)

父であるミスターブラウンが亡くなって、生前親交のあったフェイリスパパに引き取られて秋葉家の養女となった綯。本エピソードは本編であったあの夏から2年後の話。ここからラウンダーに身を投じ、復讐の鬼となって闇堕ちする…という展開にはなりません。個人的にはそっちの鬱展開も見てみたかった気もしますけど、オチがつけられそうにないですね。

2年前、父の死と共に周りにいた人たちがすべて消えてしまったのは何故か。今では義理の姉として身近に居るフェイリスこと秋葉留未穂もその事柄についてはあまり多くを語らない。あの頃も今も自分は子供で当事者にはなれない…そんな思いを抱きながら与えられた平穏な環境で暮らしていたところへ、当時あのビルに出入りしていたと思しき人物と再会する。

その人物はダルこと橋田至。彼の話は綯にとって理解しづらいが、2年前、オカリンおじさんと紅莉栖と共にSERNに拉致され、一年間スイスに幽閉されていたというダルが辛くも脱走に成功して秋葉原に戻ってきたのは、あのビルでもう一度過去にメールを送れる機械「電話レンジ(仮)」を作ることができるかどうかを確かめに来たのだ。半信半疑ながら、あの時の真相を知りたいという一心でダルに協力する綯であったが…

本編では接点の薄かったダルと綯のやり取りがシナリオのほとんどを占めます。2年後には反SERNのレジスタンス活動を開始しているという興味深い背景がうかがえますね。

本編と設定を一にする『ロボティクス・ノーツ』との関連もありそうですが、如何せん私自身がそっちをまだプレイしていないので何とも言えません。

時折垣間見えるSERNの存在は、やはり脱走したオカリンやダルを追ってきているんでしょうね。結末でダルが誰にどんなDメールを送ったのかは気になるところです。


総論

基本的な物語の枠が本編を大きく逸脱できないという制限がある中で、語り部を変えて同じ物語を側面から表現するという手法はアリだと思うのですけど、やはり2回目ともなると食傷気味になってしまうのは否めません。そういう意味で、最新作である『~ゼロ』についても同様の不安はあります。まぁ当面買う予定もないのですが(汗)

本編とは異なり、10本のオムニバスシナリオはそれぞれ完全に独立していて展開は一本道。一応ゲーム的なガジェットであるフォーントリガーによるメールの返信内容の選択は残っていますが、それによってシナリオが分岐することはありません。シナリオによってはそれすらもなくひたすらテキストを追うだけのものもあります。

同じコンセプトでも前作の『~比翼恋理のだーりん』がなべて能天気な世界線であったのと比べると、本編ほどではありませんが重い展開のシナリオもあります。そういう意味では同じファンディスクという位置づけながら、やや中途半端な感じですね。

今回全体的に気になったのが、おなじみの登場人物たちのキャラクター設定が本編を正とした場合、程度の差はあれど変っていると感じられた場面が多々あったということ。これはオリジナルである本編の発売から本作の発売まで約4年という時間が経過していること、オリジナルに関わっていないライターの手によるものという点と無関係ではないと思います。

オリジナルの『シュタインズ・ゲート』が優れたコンテンツであることは論を待ちませんが、世界観を一にした拡張性を有していたかといえば、個人的には否定的です。オリジナルが極めて精緻な構成で成り立っているがために、他の人間が創造したインスピレーションを許容できるほど器が大きくない、とでも表現すればいいでしょうか。かつてラヴクラフトが創造した”クトゥルー神話”の世界観を、その後無数の作家が書き綴ったような自由度の高いものでないことは間違いないと思いますね。

それでも現在でも新しいコンテンツが生産されているという事実を踏まえれば、一定のニーズがあるということもまた真理でありまして、願わくば下衆な商業主義がオリジナルを含めた『シュタインズ・ゲート』の価値を下げてしまうことのないようにだけは配慮して欲しいものであります。


  

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